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洗濯図鑑
洗濯機の「搬入・乾燥・手間」まで数える比較図鑑

夜に洗濯できる静かさはどれ?21機種の運転音は洗い24〜42dB

書き手: しずか(フクロウ) 公開: 2026-08-03 更新: 2026-08-03

図鑑 No.010

洗濯機21機種の「運転音」くらべ

  • 現行21機種の公式運転音は洗い24〜42dB・脱水37〜54dB・乾燥38〜49dB。夜に効くのは洗い音より脱水音
  • 脱水が大きく外れるのは、メーカーがインバーターの記載を置いていない機種。日立NW-50Hは54dB、シャープES-GE7Jは47dB
  • 東京都の生活騒音の表では洗濯機は約64〜72dB。カタログのdBとは測り方が違うので、そのまま置き換えられない
集合住宅で夜に洗濯機を回す人カタログのdBの読み方を知りたい人脱水と乾燥のどちらがうるさいか知りたい人部屋で実際に何dB聞こえるかを知りたい人(メーカーの測定条件が公開されておらずこの記事では出せません)

洗濯機のカタログには「運転音(洗い/脱水/乾燥)」という欄があります。5社の現行21機種ぶんを集めたところ、洗い24〜42dB、脱水37〜54dB、乾燥38〜49dBでした。

数字を並べて分かったのは、夜に効いてくるのは洗い音ではなく脱水音のほうだ、ということです。洗い音が静かでも脱水で跳ね上がる機種があり、その差は同じ表のなかで17dBありました。

しずか「夜に回すかどうかを決めているのは、たいてい脱水の音です。洗いの数字だけ見て決めると外します」

21機種の運転音

すべて各メーカーの公式仕様ページに載っている値です。「ー」は乾燥機能がない、または運転音の記載がないものです。乾燥まで回せるドラム式・縦型洗濯乾燥機と、洗濯だけの全自動洗濯機を分けて並べました。

ドラム式・洗濯乾燥機

機種容量洗い脱水乾燥
シャープ ES-S7K7kg/3.5kg24dB39dB38dB
シャープ ES-X11B11kg/6kg30dB37dB39dB
パナソニック NA-LX129E12kg/6kg32dB41dB46dB
東芝 TW-127XP512kg/7kg32dB37dB48dB
東芝 TW-127XM512kg/7kg32dB37dB48dB
日立 BD-STX130M13kg/7kg34dB37dB49dB
日立 BD-SV120M12kg/6kg34dB37dB49dB
アクア AQW-DXS12A12kg/6kg34dB42dB45dB

東芝の2機種は「乾燥節電」で回したときの値も併記されていて、48dBが約42dBに下がります。乾燥の欄で48〜49dBと書かれている機種でも、モードを変えれば数字が変わるということです。

縦型(全自動洗濯機・縦型洗濯乾燥機)

機種容量洗い脱水乾燥
東芝 AW-12DPB612kg31dB37dB
東芝 AW-10DPB610kg31dB37dB
日立 BW-V100P10kg32dB39dB
パナソニック NA-JFA8K68kg32dB39dB
アクア AQW-VX10A10kg34dB38dB
東芝 AW-7DH67kg34dB37dB
日立 NW-50H5kg34dB54dB
シャープ ES-GV8J8kg35dB38dB
アクア AQW-V10B10kg36dB38dB
パナソニック NA-FA12V612kg37dB39dB
日立 BW-X120P12kg37dB37dB
シャープ ES-PW11K11kg/6kg39dB38dB44dB
シャープ ES-GE7J7kg42dB47dB

洗いの列だけ見ると24〜42dBで、いちばん静かなのはシャープのES-S7Kでした。ただし脱水は39dBで、洗いで15dB離していた東芝AW-12DPB6(洗い31dB・脱水37dB)に脱水では抜かれています。洗いの順位と脱水の順位は一致しません。

dBの目安——40dBは図書館の館内あたり

数字の意味を確かめておきます。環境省の生活騒音パンフレットには、騒音の目安を等価騒音レベル(LAeq)の目盛りに並べた図が載っています。その図では、40dBの目盛りのあたりに「図書館の館内」が置かれ、30〜40dBの帯に「ホテルの室内」「戸建住宅地(夜間)」「高層住宅地域(夜間)」、40〜50dBの帯に「戸建住宅地(昼間)」「美術館の館内」「霊園(昼間)」が並んでいます。

これを上の表に当てると、こうなります。

目安当てはまる運転
30〜40dBホテルの室内・戸建住宅地の夜間今回のほぼ全機種の洗い、上位機の脱水
40dB前後図書館の館内一部の脱水、ドラム式の乾燥の一部
40〜50dB戸建住宅地の昼間・美術館の館内ドラム式の乾燥(44〜49dB)、日立NW-50Hの脱水

洗いはどの機種も夜間の住宅地くらいの帯に収まっていて、ここで差はつきません。差が出るのは脱水と乾燥です。

カタログのdBと、生活騒音の表のdBは別もの

ここは混同しやすいところなので、はっきり書いておきます。

東京都環境局が公開している生活騒音のページには、家庭用機器の音の大きさの表があります。そこでの洗濯機は「約64〜72デシベル」です。掃除機(約60〜76dB)や目覚まし時計(約64〜75dB)と同じ帯に置かれています。

一方、今回集めたメーカーの公式値は24〜54dBでした。20dB以上ずれています。

どちらかが間違っているという話ではなく、測っている条件が違うと考えるのが自然です。ただし、その条件がどう違うのかは、今回調べた範囲では確かめられませんでした。各社の仕様ページには運転音の測定条件(マイクの位置、暗騒音、測定規格名など)の注記が見当たらず、JISなどの規格名への言及も見つかりませんでした。日立だけは仕様ページの末尾に「各データは一般社団法人 日本電機工業会・自主基準『洗濯性能評価方法』『乾燥性能評価方法』によるもの」と書いていますが、これは洗濯・乾燥の性能についての注記で、運転音の測り方を指しているとは書かれていません。

つまり、カタログの32dBを「うちの脱衣所で32dB聞こえる」と読むことはできません。カタログのdBは、同じ土俵に並んだ機種どうしを比べるための数字として扱うのが正確です。

しずか「別の物差しで測った数字を、同じ表に並べてはいけません。比べるなら同じ欄の中だけです」

脱水が外れる機種には共通点がある

脱水の列で目立って大きいのは、日立NW-50Hの54dBと、シャープES-GE7Jの47dBの2機種です。この2つには、仕様表の書かれ方に共通点がありました。

機種仕様表のインバーター欄洗い脱水
日立 BW-V100P駆動方式:インバーター式32dB39dB
日立 NW-50H駆動方式:ー34dB54dB
シャープ ES-GV8J低騒音/インバーター の記載あり35dB38dB
シャープ ES-GE7Jインバーターの記載なし42dB47dB

同じメーカー・同じ縦型のなかで、インバーターの記載がある機種とない機種を並べた比較です。日立では脱水が15dB、シャープでは9dB違いました。

インバーターと音の関係については、アクアが公式サイトで「モーターの動きを自動で調節するインバーター搭載洗濯機は、静音性に優れています」「インバーター搭載洗濯機の一番大きなメリットともいえる」と説明しています。集合住宅や夜間の使用を挙げたうえで、静音性の観点からインバーター搭載機をすすめる、とも書いています。

メーカー公式の説明として取れたのはここまでです。「インバーターだから何dB下がる」という数値の説明は、今回どのメーカーの公式ページにも見つかりませんでした。上の表の15dB・9dBは、あくまで並べた結果です。

なお、アクアの製品ページには機種ごとのインバーター搭載の有無が載っておらず、アクア機については同じ形の比較ができていません。

夜に回すなら、見る欄は「脱水」

結論です。

1. 夜の判断材料は脱水の欄。洗いは24〜42dBで、今回の21機種はほぼ夜間の住宅地くらいの帯に収まります。差がつくのは脱水(37〜54dB)と乾燥(38〜49dB)です

2. 上位機の脱水は37〜39dBに固まっている。日立・東芝・シャープ・パナソニックの主力機はこの3dBのなかにあり、ここでは機種の差はほとんどありません

3. 外れるのは、メーカーがインバーターの記載を置いていない機種。今回の範囲では日立NW-50Hが54dB、シャープES-GE7Jが47dBでした

4. 乾燥まで回すと44〜49dBになる機種が多い。洗濯だけの夜と、乾燥まで回す夜は別の話です。東芝の2機種のように、節電モードで48dB→約42dBと下がる例もあります

環境省の生活騒音パンフレットも、家庭用機器については「品質表示ラベル等に示された騒音値を参考にして低騒音の機器を使いましょう」と書いています。洗濯機・冷蔵庫の項目では、音や振動が伝わらない置き方をすること(防振・消音マットなど)と、使用する時間に配慮することの2つを挙げています。機種選びと置き方は別の対策だ、という整理です。

この記事が向かないのは、自分の部屋で実際に何dB聞こえるかを知りたい人です。メーカーが運転音の測定条件を公開していないため、公表値から部屋での聞こえ方を出すことは、今回の調べ方ではできませんでした。

→ 「部屋干し用」洗剤は通常品と何が違う?メーカーの答えを集めた

運転音の値はメーカーの公表値をそのまま転記したものです。実際の音は設置場所・床の構造・洗濯物の量やかたよりで変わります。

調査・編集:洗濯図鑑編集部。しずかは記事の案内役のキャラクターです(実在の人物ではありません)。

この記事の調べ方と、分からないこと

運転音の値は2026年8月3日に、日立・パナソニック・東芝・シャープ・アクアの5社の公式仕様ページから集めました。ドラム式・洗濯乾燥機8機種、縦型13機種の計21機種です。実機を測ったものではなく、各社が公表している値の転記です。各社の現行ラインアップに載っている機種で揃えました。

日立の仕様ページは表がスクリプトで読み込まれる作りだったため、同じページが読み込んでいる公式の仕様データ(kadenfan.hitachi.co.jp/wash/common/json/)から値を取っています。表示される仕様表と同じ出どころです。

分からなかったことを書いておきます。第一に、運転音の測定条件です。5社とも仕様ページに測定方法・測定位置・暗騒音などの注記がなく、JISをはじめとする規格名への言及も見つかりませんでした。したがって、5社の数字が同じ条件で測られているかどうかは確認できていません。表を横断で並べてはいますが、メーカーをまたいだ1dB単位の優劣は、この前提では読み取れません。

第二に、dBの差が体感でどれくらいかという換算です。「◯dB下がると音の大きさが何分の1に感じる」という説明は、今回参照した環境省・東京都の資料には見当たらなかったため、この記事では換算していません。

第三に、インバーターの搭載有無です。日立は「駆動方式」欄、シャープは「使いやすさ」欄、東芝は製品分類の表記としてインバーターに触れていますが、アクアの製品ページには機種ごとの搭載有無の記載が見つかりませんでした。パナソニックは「ハイパーウェーブインバーター」という自社機能名での記載で、他社の記載と同じ意味かどうかは判断できません。そのため、インバーター有無の比較は日立とシャープの範囲にとどめています。

第四に、価格です。今回は集めていません。

なお、環境省の騒音の目安の図は、目盛りの上に項目名を配置した図表です。この記事では「40dBの目盛りのあたり」「30〜40dBの帯」といった帯単位の読み取りにとどめ、項目ごとの正確な数値としては扱っていません。

主な出典
環境省 生活騒音パンフレット(2019年3月)
環境省 騒音の目安(一般環境騒音)
東京都環境局 生活騒音(家庭用機器の音の大きさ)
日立 BW-V100P 仕様
日立 BW-X120P 仕様
日立 NW-50H 仕様
日立 BD-STX130M 仕様
日立 BD-SV120M 仕様
パナソニック NA-LX129EL 仕様・詳細情報
パナソニック NA-FA12V6 仕様・詳細情報
パナソニック NA-JFA8K6 仕様・詳細情報
東芝 TW-127XP5 寸法・仕様
東芝 TW-127XM5 寸法・仕様
東芝 AW-12DPB6 寸法・仕様
東芝 AW-10DPB6 寸法・仕様
東芝 AW-7DH6 寸法・仕様
シャープ ES-X11B 仕様
シャープ ES-S7K 仕様
シャープ ES-PW11K 仕様
シャープ ES-GV8J 仕様
シャープ ES-GE7J 仕様
アクア AQW-DXS12A 製品ページ
アクア AQW-VX10A 製品ページ
アクア AQW-V10B 製品ページ
アクア インバーター搭載洗濯機とは
この記事の書き手: しずか(フクロウ・夜洗濯・静音・設置担当)
洗濯図鑑の「しずか」です。架空のフクロウ書き手キャラクターです。夜行性なので夜洗濯の静音dBと、搬入・防水パン適合を担当します。
※書き手は架空の編集キャラクターです。記事は仕様書・レビューの集約分析で、使用体験の偽装は行いません。書き手一覧と分析の方法論