乾燥1回の電気代は?11機種の公式値は18.6〜79.1円で4.2倍差
洗濯乾燥機11機種の「乾燥1回の電気代」くらべ
- 乾燥6kgで条件を揃えた7機種の洗濯~乾燥1回は18.60〜79.05円。ヒートポンプ式ドラム18.60〜35.03円に対し、縦型のヒーター乾燥は68.20〜79.05円で4.25倍
- 洗濯だけなら1.71〜3.41円。この差額のほぼ全部が乾燥ぶん(16.27〜76.01円)
- 洗濯乾燥機の消費電力量は品質表示規程の表示事項ではない。測定条件の書き方はメーカーごとに違い、東芝とアクアは何kg乾燥時かを仕様ページに書いていない
洗濯から乾燥まで1回まわすと、電気代は18.60円から79.05円でした。乾燥容量6kgで条件を揃えた7機種の、メーカー公表値を31円/kWhで換算した結果です。
計算はこれだけです。
1回の電気代 = 洗濯~乾燥時の消費電力量(Wh)÷ 1,000 × 31円
同じ7機種で洗濯だけなら1.71〜3.41円です。つまり金額を動かしているのは、ほぼ全部が乾燥のほうでした。
ふわり「洗う電気代は機種を替えてもほとんど変わりません。分かれるのは、濡れた衣類から水をどうやって飛ばすかのところです」
乾燥6kgで揃えた7機種
乾燥容量が違うと比べる意味がなくなるので、まず乾燥容量6kgの機種だけを並べます。Whはメーカーが公表している「洗濯~乾燥時の消費電力量」で、金額は「Wh÷1,000×31円」です。
| 機種 | 洗濯/乾燥 | 乾燥方式 | 洗濯~乾燥 | 1回 | 洗濯だけ |
|---|---|---|---|---|---|
| シャープ ES-X11B | 11/6kg | ヒートポンプ+サポートヒーター | 600Wh | 18.60円 | 2.33円 |
| パナソニック NA-LX129EL | 12/6kg | ヒートポンプ | 800Wh | 24.80円 | 2.11円 |
| パナソニック NA-LX129AL | 12/6kg | ヒートポンプ | 890Wh | 27.59円 | 2.11円 |
| パナソニック NA-LX113EL | 11/6kg | ヒートポンプ | 945Wh | 29.29円 | 2.11円 |
| アクア AQW-DX12R | 12/6kg | ヒートポンプ | 1,130Wh | 35.03円 | 1.71円 |
| シャープ ES-PW11K(縦型) | 11/6kg | ヒーターセンサー乾燥 | 2,200Wh | 68.20円 | 3.41円 |
| パナソニック NA-FW12V1(縦型) | 12/6kg | 水冷除湿式(ヒーター) | 2,550Wh | 79.05円 | 3.04円 |
ヒートポンプ式ドラムの5機種は18.60〜35.03円、縦型のヒーター乾燥2機種は68.20〜79.05円。上と下で4.25倍です。ヒートポンプ側の内側でも1.88倍の幅があるので、「ヒートポンプならどれでも同じ」ではありませんでした。
毎日1回まわすと、いちばん低いES-X11Bで年6,789円、いちばん高いNA-FW12V1で年28,853円。差は年22,064円です。週3回の家なら年9,430円差になります。
乾燥ぶんだけを取り出す
洗濯~乾燥時の値から洗濯時の値を引くと、乾燥のためだけに使っている電力量が出ます。
| 機種 | 乾燥ぶん | 1回 | 乾燥1kgあたり |
|---|---|---|---|
| シャープ ES-X11B | 525Wh | 16.27円 | 2.71円 |
| パナソニック NA-LX129EL | 732Wh | 22.69円 | 3.78円 |
| パナソニック NA-LX129AL | 822Wh | 25.48円 | 4.25円 |
| パナソニック NA-LX113EL | 877Wh | 27.19円 | 4.53円 |
| アクア AQW-DX12R | 1,075Wh | 33.33円 | 5.55円 |
| シャープ ES-PW11K(縦型) | 2,090Wh | 64.79円 | 10.80円 |
| パナソニック NA-FW12V1(縦型) | 2,452Wh | 76.01円 | 12.67円 |
乾燥ぶんは16.27〜76.01円で、倍率は4.67倍。洗濯~乾燥全体の4.25倍より広がりました。洗濯側の電力量(55〜110Wh)が全体をわずかに均していただけで、乾燥そのものの差はもっと大きい、ということです。
引き算の前提は1つだけ置いています。洗濯時の値と洗濯~乾燥時の値が、同じ洗い方をしているという前提です。パナソニックは洗濯だけなら12kg、洗濯~乾燥なら6kgと、投入する衣類の量が変わります。標準使用水量もNA-LX129ELで83L→55Lと変わるので、洗い工程そのものが同一とは限りません。ここは各社とも工程別の内訳を公表しておらず、確かめられませんでした。
条件が違う4機種は、別に並べる
乾燥容量が6kgでない機種も公表値はあります。ただし同じ表には入れられないので、分けます。
| 機種 | 洗濯/乾燥 | 乾燥方式 | 洗濯~乾燥 | 1回 | 乾燥1kgあたり |
|---|---|---|---|---|---|
| 東芝 TW-127XP5 | 12/7kg | ヒートポンプ除湿乾燥 | 1,330Wh | 41.23円 | 5.58円 |
| シャープ ES-S7J | 7/3.5kg | ヒーターセンサー乾燥(水冷除湿) | 1,600Wh | 49.60円 | 13.64円 |
| パナソニック NA-VG2900L | 10/5kg | 低温風パワフル乾燥(ヒーター/排気式) | 1,980Wh | 61.38円 | 11.84円 |
| 東芝 AW-10VP4(縦型) | 10/5kg | ハイブリッド乾燥 | 2,450Wh | 75.95円 | 14.69円 |
東芝TW-127XP5の1,330Wh(41.23円)は、6kg群のヒートポンプ機より高く見えます。でも乾燥しているのは7kgです。乾燥1kgあたりに直すと5.58円で、6kg群のアクア(5.55円)とほぼ同じでした。1回いくらの表だけを見て「東芝は電気を食う」と読むと、乾燥量が1kg多いことを見落とします。
逆にシャープES-S7Jは1回49.60円で東芝AW-10VP4より安く見えますが、乾かしているのは3.5kg。1kgあたり13.64円で、縦型と同じ帯です。7kg幅60cmのコンパクト機で、ヒーター乾燥という設計なので、当然の結果ではあります。
ふわり「1回いくらの数字は、何kg乾かした1回なのかを見ないと比べられません。表の左から2列目を先に見てください」
カタログのWhは、何を測った数字か
炊飯器と違って、洗濯乾燥機の消費電力量には表示を義務づける規程がありません。家庭用品品質表示法の「電気機械器具品質表示規程」で電気洗濯機に定められている表示事項は、標準使用水量・外形寸法・使用上の注意・表示者名の4つだけです。消費電力量は、この規程の表示事項に入っていません。標準使用水量だけが日本産業規格C9606にひもづき、許容範囲プラス10%・マイナス20%と決められています。
では公表されているWhは何かというと、業界の自主基準です。シャープは仕様ページに「数値は日本電機工業会自主基準による」と明記していました。
測定条件の書き方は、メーカーごとにばらつきます。今回いちばんはっきりしていたのはパナソニックで、プレスリリースの注記にこう書かれています。
> 洗濯~乾燥「おまかせ」コース・定格洗濯乾燥6 kg時。(中略)衣類の素材・入れ方・洗濯時の状況により、運転時間・使用水量・消費電力量は前後します。
シャープも仕様ページの注記に「洗濯〜乾燥6kg:消費電力量600Wh」と、何kg時かを書いています。
一方、東芝とアクアの仕様ページには、消費電力量が何kg乾燥時の値なのかを示す注記が見つかりませんでした。東芝の注記は「室温・水温、水道水圧、設置・排水条件、衣類の量や種類、衣類の片寄り、風呂水の使用などにより、使用水量・消費電力量・運転時間が増減します」という増減の説明だけです。定格容量で測っていると考えるのが自然ですが、ページ上でそう書かれてはいないので、この記事では「定格の7kg時と読んだ場合」という条件付きの数字として扱っています。
炊飯器のように国が条件を揃えているわけではない、というのがここでの結論です。数字の並びは信用できますが、揃っているかどうかは自分で確かめる必要があります。
省エネ乾燥モードは、時間と引き換え
ヒートポンプ機のいくつかは、標準乾燥のほかに時間をかけて消費電力量を落とすモードの値も公表しています。
| 機種 | 標準乾燥 | 省エネ側 | 減り方 | 時間 |
|---|---|---|---|---|
| パナソニック NA-LX129EL | 800Wh(24.80円) | 620Wh(19.22円) | -22.5% | 98分→165分 |
| パナソニック NA-LX113EL | 945Wh(29.29円) | 680Wh(21.08円) | -28.0% | 119分→192分 |
| 東芝 TW-127XP5 | 1,330Wh(41.23円) | 670Wh(20.77円) | -49.6% | 87分→215分 |
東芝は乾燥節電にすると半減して670Wh。この値なら6kg群のヒートポンプ機の真ん中あたりに並びます。ただし87分が215分になり、2時間8分の上乗せです。
毎日この設定で1年まわすと、パナソニックNA-LX129ELで2,037円、東芝TW-127XP5で7,468円の差になります。機種を替えたときの年22,064円差ほどではありませんが、いま持っている機械の設定を変えるだけで動く金額としては大きいほうです。夜のうちにまわして朝に取り出す使い方なら、時間が延びる不利は小さくなります。
結論:方式で4倍、設定で1.3〜2倍
今回の範囲では、こう整理できました。
1. 乾燥6kgで揃えると、1回18.60〜79.05円。上下で4.25倍。
2. ヒートポンプ式ドラムは18.60〜35.03円、縦型のヒーター乾燥は68.20〜79.05円。帯が重なりませんでした。
3. 同じヒートポンプ機でも1.88倍の幅がある。方式名だけで決めず、Whの数字を見たほうが正確です。
4. 乾燥節電・省エネ乾燥モードがある機種は、標準より22〜50%減る。代わりに67〜128分長くなります。
毎日乾燥までまわす家なら、ヒートポンプ式ドラムと縦型で年2万円前後の差になります。ここは本体価格の差を数年で埋めうる規模なので、電気代を判断材料に入れる意味があります。逆に乾燥をほとんど使わない家なら、洗濯だけの差は1回1.71〜3.41円、年620〜1,244円です。この使い方で電気代から機種を選ぶ理由は薄いといえます。
この記事が向かないのは、自分の家で実際にかかる電気代を知りたい人です。公表値は定格容量ぶんの衣類を標準的なコースで乾かしたときの値で、半分の量を乾かしたときにいくらになるかは、どのメーカーも公表していません。室温と衣類の種類でも変わります。
→ 「部屋干し用」洗剤は通常品と何が違う?メーカーの答えを集めた
金額はこの記事のための計算で、メーカーの公表値ではありません。実際の電気代は乾かす量・コース・室温・契約している電気料金で変わります。
調査・編集:洗濯図鑑編集部。ふわりは記事の案内役のキャラクターです(実在の人物ではありません)。
この記事の調べ方と、分からないこと
数字は2026年8月3日に、各メーカーの公式仕様ページから集めました。パナソニック・シャープ・東芝・アクアの4社11機種(ヒートポンプ式ドラム6、ヒーター式ドラム2、縦型3)です。実機を買って測ったものではなく、メーカーが公表している値を集めて換算したものです。掲載されているURLはすべて開いて、仕様表の値を直接読んでいます。
金額の換算に使った31円/kWhは、全国家庭電気製品公正取引協議会の目安単価です。パナソニックも公式Q&Aで「31円/kWh(税込)で計算」と同じ単価を使っています。円への換算、乾燥ぶんの引き算、乾燥1kgあたりの値、倍率、年額は、集めた数値をPythonで再計算して検算しています。
分からなかったことを書いておきます。
日立は今回入れられませんでした。ビッグドラムBD-STX130Mの取扱説明書の仕様表には、電動機定格消費電力180W・電熱装置定格消費電力800W・定格消費電力1,240Wという「消費電力(W)」はありますが、消費電力量(Wh)の項目がありません。商品ページ側の仕様表はページを機械で読み取れず、値を確認できませんでした。開けなかったページの数字は載せない方針なので、日立は表から外しています。
東芝とアクアは、消費電力量が何kg乾燥時の値かを仕様ページに書いていません。東芝TW-127XP5・TW-127XM5・TW-127XH5の3機種は、洗濯~乾燥時1,330Wh/乾燥節電670Whがまったく同じ値でした。同じ12/7kgのヒートポンプ機なので同値でもおかしくありませんが、確かめる手段がないため表には代表としてTW-127XP5だけを載せています。
洗濯工程と乾燥工程の電力量の内訳は、どのメーカーも公表していません。この記事の「乾燥ぶん」は洗濯~乾燥時から洗濯時を引いた差であって、乾燥工程だけを測った値ではありません。
洗濯乾燥機の消費電力量には、炊飯器のような国の測定条件がありません。家庭用品品質表示法にもとづく電気機械器具品質表示規程で電気洗濯機に定められているのは、標準使用水量(日本産業規格C9606、許容範囲+10%〜-20%)・外形寸法(±10mm以内)・使用上の注意・表示者名の4項目だけで、消費電力量は入っていません。公表値は日本電機工業会の自主基準にもとづくものです。実売価格と本体価格差は集めていません。